女袴の葛藤

3月に入り、いよいよ卒業シーズンに突入です。 

大学生の袴スタイルをはじめ、小学6年生の袴姿もすっかり一般的になってまいりました。

卒業を迎える児童・生徒さん達だけでなく、幼稚園~高校でクラス担任をされる先生方も、男女問わず袴姿卒業式に出席される方も少なくありません。

 

1月後半から、マスターズでは主に女袴のお稽古に力を入れています。

手順のおさらいは勿論ですが、どうすればよりきれいな着姿になるか、を追求しています。

 

着付け全般に言えることですが、「これが正解」というものがないので、今年もいろいろと悩み、葛藤が生じています・・・。

 でもようやく、自分なりの方向性が決められたかな、と卒業式を前に結論を出すことができました。

裾の位置とか帯の出具合だとか、衣紋の抜き具合だとか、そういった基本的なことも大事ですが、それ以外の点で昨年からいくつかの点で葛藤を抱えていました。

 そんな葛藤についての、独り言です・・・。

 

葛藤その①《袴の裾》

 袴はある程度、後ろの裾が前よりも上がってしまうのは避けられません。

それをどこまでをよしとするのか、はたまた後ろ上がりにせず、裾線が床に平行となることを目指すのがよいのか。

 

 葛藤その②《袴のヒダ》

袴の縦のヒダのラインの理想はまっすぐなのかどうか、に迷いがでました。


葛藤その③《リボンの位置》

今までリボンを高めに結んでいましたが、ここに来てあれ?低めのアリか?と迷ってしまいました。 

 

・・・とまぁいろいろと迷うことが出てきてしまい、2月後半はデフレスパイラル状態でした・・・。

 

いずれも関連している内容なのですが・・・。

①の後ろの裾が上がるのは、帯結びによるところが一番大きいです。

帯結びで膨らむため、袴が持ち上がるのですね。

 

以前こちらのブログでも独り言ちましたが、女袴で使える帯結びにも数種類あり、そのときは帯結びに被さる袴のシルエットの違いに注目しました。

でも昨年から、背中のシルエットだけでなく裾線の具合も考えてみよう・・・と思った次第です。

 

同じ帯結びでも帯の生地や材質によって厚みや膨らみ方がかなり違います。

小袋帯と単衣帯でもかなり違うのですね。

どういった素材の帯だと膨らむ・膨らまないかを確認して、年齢や体型などを考慮してどの帯結びにしようかを決めるためのパターンを自分なりに把握することにしました。(←来年まで覚えていられるか?(^_^;))

 

②は前から見たときの袴のシルエットも関連しますが、ヒダが広がると、中心よりも左(=着付ける側からしたら、向かって右)の柄が後方へ行ってしまい、前から見えなくなることがあります。

せっかくなら、正面から見たときに柄が見えてほしいなぁ・・・。

 

という気持ちにもなるのです。


↑の左のように後ろ上がりだと、真ん中のように柄が見えにくくなります。

と同時に、後ろ上がりだと、脇の空いている部分(=投げ)がきれいではないのが悩みどころ。

後ろの投げがたるんでしまいます。

右のように裾を床に平行にすると、投げもきれいに整うのですよね。

 

 

・・・と思って裾線は床に平行がよいのかな、とも思ったのですが、袴のサイズに対して細い体の人だと、結局は柄が後ろに行ってしまうこともあることが分かったのでした・・・。

柄の出方は、あまりこだわらなくてもよいかな、というのが結論です。(^_^;)

 

裾線を床に平行にして縦のヒダがまっすぐになるのが理想かな、とも思ったのですが、そうするためには帯結びのボリュームをおさえなければならくなります。

そして小学生はもとより、大学生の若いお嬢さんであれば、やはり多少裾が広がり気味のスカートっぽいシルエットの方が可愛らしい、というのもありますね。

そして帯結びにボリュームが全くないと、裾線は床に平行で投げもきれいではあるかもしれないけれど、横から見たときにおとなしすぎて若々しさが足りなくなるような気がします。

 

学校の先生であれば、ヒダがまっすぐを意識して、裾があまり広がらないようにする。

大学生・小学生などの学生は、多少スカートっぽく広がってもよい。

ということに私の中では落ち着きました。

 

③のリボンの位置については、袴の長さにもよるのかな、と思っています。

袴の丈が短いと全体の位置を下げなければならず、そのようなときはリボンまで下げるとバランスが悪くなります。

袴の長さが草履であれブーツであれ、十分余裕があれば、高い位置でも、少し低めでもバランスはとれます。

リボンの位置が高ければ、視覚的な足長効果が得られます。

低いと、しっかりと引き締まります。

それぞれメリットがあるので、どちらをとるか、ですね。

最終的には好みの問題かもしれません。

 

でも袴の丈が長すぎて前でひと折り(あるいはふた折り)して短くしたときは、リボンの位置は低めがよいのでは、と思うようになりました。

前の袴を折って短くしたとき、後ろをいつも通り当てると、後ろの丈が長すぎてしまうことがあります。

裾線が床に平行であれば問題ありませんが、前裾よりも後ろの方が長くなってしまう場合もでてきます。

そのようなことを避けるためにも、前で袴を折ったときは、後ろの袴を少し高めに当てる方がよいのでは、と思います。

後ろを高めに当てた場合は、前に紐をもってくるときに少し下げ気味にした方が安定するので、リボンの位置も低めを意識しようと思うようになりました。

 

 

 


葛藤その④《ヘラの扱い方》

↑の左のように、女袴のヘラを男袴のように帯の内側に縦に差し込むと、袴の後ろの中心が背中にピタッと張り付いて、そこだけへこむような感じになってしまいます。

これも後ろから見ると、あまりきれいではないなぁ・・・と思っていました。

 

女袴には、以前はヘラはついていませんでしたよね。

あくまでも私個人の印象ですが、小学生の卒業袴が広まるにつれて、女袴にもヘラがついてくるようになったように思います。

小学生は活発に動き回って着崩れもしやすいから、それを防ぐためなのでしょうか。

いずれにせよ、ヘラがついたことで安定はしますがへこむのはちょっと・・・・という悩み。

 

要は袴の後ろが下がらなければよいので、↑の真ん中のように、ヘラを横に差し込むようにしてみました。

そうすると、右のように袴の後ろをなだらかに体に当てることができます。

昨年からこのようにしています。

 

たかが袴、されど袴。

一見振袖着付けよりも簡単だと思われがちですが、こだわればこだわるほど、振袖に負けず劣らず奥が深いです。

まだまだ、理想のシルエットに到達するまでの道のりは長いです。

ひたすら研鑽あるのみ、ですね。

 

今回もお付き合いくださり、ありがとうございました。

<(_ _)>

 

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