10月も半ばに入り、ようやく秋らしくなってきました。
つい数日前まではまだまだ夏日の気温だったので、単衣が手放せませんでした。
ようやく少し気温も落ち着いたので、今は胴抜きを着用しています。
着物サークルやまとなでしこ会のブログにて、活動報告や自装の手順などを細々と書いているのですが、先月からは帯揚げについて書いています。
そして先日帯揚げの種類について、絞りの帯揚げを取り上げました。
絞りの帯揚げは大別すると
・総絞り(帯揚げ全面に絞りが施されている)
・中抜き絞り(帯枕をくるむ中央部分には絞りが施されていない)
・部分絞り(帯揚げの部分的に絞りが施されている)
に分けられると思います。
部分絞りは、年齢を問わずほとんどの着物に使えますね。
振袖にはもっぱら総絞りと中抜き絞りが使われます。
だから総絞り・中抜き絞りは「振袖専用」と思われがちですが、実はそうではありません。
とはいうものの、やはり総絞り・中抜き絞りは絞りのボリュームや色目からして、若い人向きであることは事実です。
(中には渋い色合いのものもありますが・・・)
そんな成人式に使った絞りの帯揚げ、タンスに眠ったままになっていることも、よくある話ですね。
着付けを習いにいらしてくださる生徒さんの中には、初回のお稽古で持ち物確認の際、「これは使えますか?」と成人式で使った絞りの帯揚げをお持ちになる方も少なくありません。
生徒さんの年齢によっては使えないこともないのですが、残念ながら、
「色も鮮やかだしボリュームもありすぎるので、若い人向き。練習用としては良いけれど、実際に着物で外出するときにはちょっと・・・」
ということがほとんどです。
ではそんな若い人向きの絞り帯揚げは、もう使えないのでしょうか?
使えないとしたら、もったいないですね。
今回は、そんな絞りの帯揚げについてです。
↑、上2枚は総絞り、下2枚は中抜き絞りです。
色鮮やかなので、上3枚は振袖のお稽古に使っています。
実はこれ以外にも、娘用の絞りの帯揚げが何枚かありました。
でも娘ももう絞りの帯揚げは使わないので、先月のシルバーウィークのお休みのとき、以前から試してみたかったので思い切って絞りを伸ばしてみました。
はい、スチームアイロンでギューット押し付けながら、伸ばしていきましたよ。
結構力を必要としましたし、時間もかかりました。(^▽^;)
↑、ビフォー&アフターです。
絞りを伸ばすと、幅も長さもかなり長くなります。
でも伸びたことで、色合いも少し薄くなりました。
この違いが面白くて、お稽古にいらした生徒さん達にもお見せしました。
皆さん、「あははは~」と思わず声を上げて大笑い。(⌒∇⌒)
↑、総絞りの2枚です。
気持のよいくらい、伸びました。( ´∀` )
さて、絞りを伸ばした帯揚げの用途はというと・・・。
まずは「単なるフツーの帯揚げとして使う」。
色合いにもよりますが、↑の右の方は、40代以降の年齢でも全く問題なく使える色合いです。
絞りの状態だと鮮やかな色合いでボリュームもあって華やかだけれど、平らにしたら薄い落ち着いた色になりました。
総絞りだと長すぎてしまうという問題はあるかもしれませんが、中抜き絞りだとそこまで長すぎるということもないと思います。
まぁ、長すぎたら、短く切ってしまってもよいですし。( ´∀` )
他には、↓。
七五三の3歳女児の兵児帯にピッタリ!
↑の上段のように、単にひと結びしただけでは長すぎるので、手と垂れを1回くぐしています。
↑は、兵児帯で使ったものです。
小さいお子さんがいらっしゃらなければ、半衿として使うこともできます。
個人的には色無地や紬に合わせたいなぁ、と思っています。
1枚の総絞りの帯揚げから、4枚の半衿が取れそうです。
・・・色合いと控えめな絞りであれば、なにも伸ばさなくてもよいのでは?と気づきました。
↑の一番下の帯揚げ、シボが小さく落ち着いた色目なので、伸ばさずそのまま半衿として使ってみました。
大島と合わせています。
絞りと大島は相性がよいですね。
・・・というふうに、若いときに使った絞りの帯揚げは
① 絞りを伸ばして普通の帯揚げとして使う。
② 絞りを伸ばして子どもの兵児帯に使う。
③ 絞りを伸ばして、あるいは伸ばさずそのまま、半衿として使う。
の3種類の利用法があると思いました。
これなら昔の帯揚げも無駄にせずにすみますね。
ご参考になれば、幸いです。
今回もお付き合いくださり、ありがとうございました。
<(_ _)>