もう何年も前になりますが帯の端にある線のことを調べていて、「界切線」や「オランダ線」という言葉を知りました。
「界切線」は帯の一番端にあって、1本線が多いのだそう。(でも2本線のものもありますね。)
この線の前後で帯を折り上げて口綴じをして仕立てるので「織り上げ線」ともいわれる、とありました。
でも "折り上げる" のだから「折り上げ」線では?とも思ったのですが、これについては調べきれませんでした。
また本体に続けて余分に織ってあるので「織り出し線」ともいう、という別の記述もありました。
いろいろな呼び方があるようです。
「オランダ線」という名称も、不思議ですね。
帯にカタカナの名前がついているのも、なんか変な感じです。
「オランダ線」は2本線(二重線)が多いです。
この「2本線(二重線)」がポイント。
「唐桟織(とうざんおり)」という、細い木綿糸で細かい縦縞を織り出した布があります。
唐桟縞とも呼ばれ、室町末期から江戸時代にかけてオランダ船が長崎に運んできて日本に伝わりました。
この唐桟縞をオランダ縞と呼んだことに由来しているのだそう。
「縞(=ストライプ)」だから、二重線なのですね。
ちなみに1本線でもオランダ線です。
「界切線」という言葉は帯の部分名称などの説明で、今でもよく見かけます。
でも「オランダ線」という言葉は、今はもう死後なのだとか。
たしかにお太鼓結びなら気にならないオランダ線も、多種多様な帯結びをするようになってくると場合によってはオランダ線が帯結びのデザインの邪魔になることもありますものね。
最近の帯ではオランダ線のないものが多いです。
それに伴って、言葉自体も使われなくなったのでしょうね。
「オランダ線」という言葉に、どことなくノスタルジーを感じてしまいました。(⌒∇⌒)