前回、総絞りの羽織は名古屋帯にリメイクできるとお伝えしました。
基本の京帯なごや仕立てを多少アレンジして、3つのパーツに分けた帯の、実際の使い方をご紹介しますね。
←まずは帯板まで。
↑この状態で胴帯を巻きます。
胴帯の両端は指を入れて引き締めやすいように、輪にしてあります。
←胴帯の両端。
ここに指を入れます。
胴にひと巻きします。
通常帯は胴にふた巻きですが、ふた巻きするほど長さが無かったので、胴帯はひと巻き分の長さです。
ひと巻きして引き締めたら、背中心あたりでお太鼓留め(写真右)で留めます。
これで紐がなくても、緩む心配はありません。
枕をつけます。
↑左は、京枕だけ。
右はガーゼの枕紐を被せた状態。
やはり枕紐を被せた方が、結びやすいです。
枕紐は、普通のものでOK。
あとは通常通り、帯枕を背負います。
通常の手順通り、お太鼓を作ります。
この後は、お太鼓の中に手先を通す訳ですが、ここでもうひと工夫。
後ろ板を一緒に使います。
2020年2月の「後ろ板」のブログでもご紹介しましたが、お太鼓の中に後ろ板を入れると、きれいなシルエットになります。
今回はきれいなシルエットというよりも、背中全体をしっかり押さえることを目的に、後ろ板を使っています。
(後ろ板は「大人用の後ろ板」としても売られていますが、大きさ自体は「七五三(子ども用)前板」とほぼ同じ大きさですので、どちらを使っても構いません。)
後ろ側の胴帯はお太鼓留めでしか留めていません。
後ろ板を使うことで背中全体を均一に押さえたい、という訳です。
↑手先と帯板(後ろ板)がお太鼓の中でずれないように、手先をポケット状にして、その中に後ろ板を入れるようにしました。
スポッと入るように袋状にしても良いのですが(というか、その方がきっとラク)、今回はそうするだけの長さがなかったので、両端のみ袋状にしています。
↑手先のパーツをお太鼓の中に入れて、完成。
どこから見ても、フツーのお太鼓です。
やはり後ろ板を入れると、お太鼓の中もスッキリときれいです。
↑は後ろ板を入れていない状態。
絽の帯ということもあり、帯自体は柔らかいです。
帯締めが帯に食い込んでいます。
手先の部分にシワもよりやすいですね。
後ろ板を入れている方が、後ろ部分がしっかり押さえられていると実感します。
胴帯部分に紐は使っていませんが、お太鼓留めとこの後ろ板、そして帯締めで全く問題はありません。
着られなくなった絞りの羽織は、このように名古屋帯にリメイクしても、また半幅帯にリメイクしても素敵だと思います。
ご参考になれば、嬉しいです。
今回もお付き合いくださり、ありがとうございました。
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