絞りの羽織のリメイク

絞りの羽織って、昔はよく見ましたよね。実家のタンスにもありました~。

・・と、先日中等科のお稽古で「羽織について」の話の中で生徒さんと盛り上がりました。

 

特に「総絞り」。

総絞りの羽織とか振袖とか、昔はよくありましたよね。

今でも総絞りの訪問着は見かけることがありますが、羽織となると、ほとんど見ないように思います。

 

私が20歳を迎える頃、総絞りの振袖が超高級品として展示会にあったのを覚えています。

もう30年以上昔の話です・・。(^▽^;)/

総絞りの羽織というと、さらに時代をもう少しさかのぼって、40年以上前、かなぁ。

とにかく「総絞り=贅沢、高級品」という印象です。

 

(余談ですが、冒頭の生徒さんとは別の生徒さんで、絵羽柄の総絞りの羽織と訪問着でお子様の卒園式に参列された方がいらっしゃいました。色柄など全体の雰囲気が合えば、今でも十分総絞りの羽織は威力を発揮しますね。とても素敵な装いでした ♡)

 

個人的には総絞りの羽織は上品で好きですが、ひと昔(以上)前に流行ったものですので、丈も短いものが多いですし、どうしてもレトロ感はあります。

私は個人的な好みとして、レトロ感ある装いも好きなので、昔のものでも着用できるものはなるべく着用して楽しみたいと思っています。

でもそうは思っても、難しいときもありますものね。

 

きものに流行り廃りはないとはいえ、色や柄など、やはりその時代の流行はあります。

でも洋服と違って「昔のものだから着られない」ということは決してありません。

単に「昔のものと現代のものとのコーディネートが難しい」ということだと思います。

 

昔のきものは昔の帯とよく合うし、現代のきものは現代の帯とよく調和します。

決して昔のきものと現代の帯(そしてその逆も)が調和しないということではなく、テイストが違ったりするので上手く調和するものを探すのが難しい、ということですね。

羽織もまた然り。

 

だから絞りの羽織は素敵だけれど、どうしても色柄的に着用するのが難しいとか、そもそもサイズが合わないとか、昔の物で目立つシミがあるとか、羽織として着用するのが難しいときは、リメイクという方法もありますよ。

 

ネットなどで探すと、羽織を名古屋帯などに作り替えてくれるお店もあります。

絞り(総絞りでも部分的な絞りでも)の帯だなんて、素敵ではありませんか!

 


 ↑(左)は、絽の木目(もくめ)絞り(杢目絞り)の羽織からのリメイクした名古屋帯です。

なぜか実家にあった(おそらく着ないからと、人からいただいた)絽の羽織があって、サイズも小さくところどころシミもあり着用が難しかったので、帯にしました。

(正確に言うと、母が羽織を分解して胴体に巻く部分とお太鼓になる部分に帯芯を入れてくれて、長さ調節と縁のかがり縫いを私がしました。(^▽^;) )

 

一本のつながった名古屋帯にするには長さも短く、またシミなどもあってできなかったので、胴帯とお太鼓部分、そして手先の部分、と3つのパーツに分かれた帯にしました。

 

よく「作り帯」として胴帯とお太鼓の形まで出来上がっているものとに分かれたものがありますね。

お太鼓の形が出来上がっているものだと、収納するときにお太鼓の部分を平らにすると変なところで折線ができてしまい、それを避けるために多少膨らんだまましまうと場所をとるので、個人的にはあまり好きではないのです。(←あくまでも個人の好みです。)

 

でも自分でお太鼓を作るのであれば、布は平らなままで済みますね。

そういうときに便利なのが「京枕」。

写真2枚目と3枚目です。

フツーの帯枕にフックがついているような形状です。

 

本来の京枕を使う名古屋帯は、↑の一番右(わかりにくいですけれど・・・)のように、胴帯とお太鼓の2つのパーツに分かれた作りです。

また胴帯も、お太鼓の中に通す手先の分までの長さを取り、紐をつけます。

でも胴帯に紐をつけると、その紐を引くときの力で生地を傷めてしまうような気がするので、今回はやめました。

 

さらにいろいろと考えて、手先・胴帯・お太鼓の3つのパーツに分けた帯にして、紐もつけませんでした。

次回、その使い方をご紹介しますね。

 

今回もお読みくださり、ありがとうございました。

<(_ _)>

 

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