シルク博物館の今回の展示は4月28日から始まっていて、ずっと気にはなっていたのですけれどなかなか時間を作れず、ギリギリの見学となってしまいました。
シルク博物館は久しぶりです。前回訪れたのは3年程前でしょうか。
常設展示は絹のできるまでなどの詳しい解説ですが、展示の中身が以前とは大幅に変わっていました。
解説の画像が見やすく、解説文も読みやすかったです。
ちょうど私が知りたいと思っていたことが詳しく説明されていて、とても勉強になりました。個人的には何よりも英文の解説が併記されていたのが、嬉しかったです。
「先染め」「絽」「紗」「紬」など、技法や織物の名称の英語名がわかりました。
(絽はgauze、紗はplain gauzeと表記されていました。ナルホド!)
特別展の小袖コレクションでは、たくさんの小袖が展示されていました。豪華で迫力のある柄が多く、一つ一つじっくりと見ることができました。
「小袖とは袖口の小さい着物のことで、平安時代上流階級の十二単や小袿のように袖口の大きくあいた大袖に対しての呼称。小袖は大袖の下に着たが、やがて小袖を表に着るようになった」(展示解説より)
「そして室町桃山時代を経てこれに美しい染織加工が施されて江戸時代の小袖が完成し、それが今日の日本のきものと繋がっている」(シルク博物館所蔵品解説目録より)
というわけで、今回はこの江戸時代の武家や公家の小袖を興味深く見学しました。
今までは単に今の私たちの着物の原型としてしか小袖を捉えていませんでしたが、時代や階級による違いや刺繍・染めなどの技法に触れ、「小袖の変化」を感じることができました。
まさに「小袖服飾」どいう大きな文化であるとの認識を新たにしました。
今後は単に色や柄・技法を鑑賞するだけでなく、時代ごと・階級ごとの特徴や変遷なども理解していきたいと思うようになりました。会期前半の展示を見逃してしまったのが残念でなりません。
知識が増えていくと、さらに深く知りたいと欲求も増すものですね。
小袖も奥が深いです。